黄金の十字架を持つ菩薩像

  

  

 有馬キリシタン遺産記念館には、ある掛け軸のレプリカを展示しています。山梨県甲州市(旧大和村)にある虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)像です。黄金の十字架を持ち、画像の4箇所にはフリルをつけた少年の顔も!

 400年前、有馬晴信終焉の地に残された掛け軸とはいかなるものなのでしょうか。

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虚空蔵菩薩像

 山梨県大和村の栖雲寺に納められている菩薩像の掛け軸。甲州市(旧大和村)は有馬晴信が岡本大八事件に連座して失脚し、打ち首になった地である。この掛け軸は以前は折りたたんで箱に収められていた。箱を開けると目がつぶれるといわれていたため、誰も開いたことがなかったが、昭和前期に箱を開けたところ、この菩薩像が発見された。

 黄金の十字架を持ち、発見地が有馬晴信の終焉の地であることから、キリシタン大名「有馬晴信」を描いたものではないかと考えられている。

 徳川幕府の徹底的なキリシタン詮索の中、残された菩薩像は、極めて貴重なものである。(甲州市指定文化財)

*本掛け軸はレプリカです。

菩薩像の中に描かれた4人の少年たち・・・

 掛け軸を見ると、中央の黄金の十字架に目が行きがちですが、よく見ると両肩・両膝の4箇所にフリルをつけた4人の少年らしき小さな絵が描かれています。有馬晴信を描いた掛け軸であれば・・・。描かれた少年は有馬のセミナリヨで学んだ「天正遣欧少年使節」であるのかも知れません。


 

 

 

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