野武士が出てきそうな

堅堀が現存

世界遺産候補を知ろう

〔日野江城跡の堅堀(かたぼり)〕

本丸跡から空堀を望む

少年使節も本丸から堅堀を見下ろした。

 堅堀は山の斜面を堅方向に掘り込み、敵兵の横への移動を阻止する防御施設です。谷、沢などの自然地形を利用する場合が多く、日野江城も本丸から北北西の方向へ連続する尾根筋を頂点にして、東西両斜面に各一条の堅堀を配しています。日野江城の背後からの敵の進入を想定して築かれたものであると思われます。

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 東堅堀は本丸、二の丸の背後を防御するためのもので、尾根筋から東山麓に向かって刻まれた谷を利用しています。東西延長220メートル、最大幅20メートルの壮大なものです。

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 西堅堀は三の丸、城下集落を防御する形で配され、尾根筋から西麓の浦口川に達する谷を利用したもので東西延長180メートル、最大幅20メートルの規模を持っています。

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 特に東堅堀は、遺構公有化後、果樹・植林木を伐採したところ、見事な戦国時代の堀が現れ、現在も当時の形状を良好に保っています。薄暗い夕方に訪れると、400年前の戦国時代、そのものをイメージできるようなスペースが広がっています。どこからか野武士でも出没しそうな、当時を彷彿させる貴重な戦国時代の遺構です。 

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